ちょっと難しい言葉も出てくるけど許して下さいね。
Ｑ１：新型インフルエンザって何？
■インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によって起こる病気なんだ。このウイルスの特徴を簡単に説明しようね。このＲＮＡウイルスは生物学的性状によってＡ型、Ｂ型及びＣ型の３種類に分けられるんだよ。ウイルスの外側（エンベロープ）に突起した形で赤血球凝集素 hemagglutinin(ＨＡ)という抗原（病気を起こす要素）とノイラミニダーゼ neuramidase(ＮＡ)抗原が飛び出しています。このＨＡ抗原が、私たちの体(特に気管)の細胞表面に存在するシアル酸と鍵と鍵穴の関係で付着（結合）する強力な道具となります。一方、ＮＡ抗原は私たちの体の中で増える際に重要な役割を果たします。特にＡ型と呼ばれるインフルエンザウイルスは１４種類のＨＡ抗原と９種類のＮＡ抗原が見つかっていて、理論上は１４×９＝１２６通りの型が考えられるんだ。それゆえ、刻々と型を変える（変異する）ウイルス（新型ウイルス）が出現するのです！
ところで、インフルエンザの病名は「影響」を意味する influence という言葉に由来します。特にＡ型は数十年ごとに世界的な大流行（パンデミー）を引き起こすことが知られているよ。Ｂ型、Ｃ型は人だけに感染するんだけど、Ａ型は鳥や豚との人畜共通感染症なんだ。
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Ｑ２：これまでに新型のインフルエンザって流行ったことあるの？
■新型インフルエンザが発生した場合、基本的に全ての人々はそのウイルスに対して抵抗力（免疫）を持っていない為、人と人の間で感染し、急速かつ広範囲に広がってしまうんだ。
新型インフルエンザとして流行した例は、@大正７年（1918年）にスペインかぜ、A昭和32年（1957年）アジアかぜ、B昭和43年（1968年）香港かぜ、C昭和52年（1977年）ソ連かぜが流行しています。これらは世界的に流行し多くの死亡者が出たよね。例えば「スペインかぜ」においては世界で4000万人、日本では39万人もの死亡者がでたのだよ。そして現代では、人口が増加し都市への人口集中、飛行機や新幹線、高速道路などの発達によって短期間(4〜7日)の間に地球全体にインフルエンザの流行が広がっていくと考えられているんだ。
Ｑ３：鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係は？
■インフルエンザウイルスは、カモやアヒルなど水鳥を中心に多くの鳥類に感染するんだ。それを"鳥インフルエンザ"といい、ニワトリやカモなどが死亡してしまう重篤なインフルエンザを"高病原性鳥インフルエンザ"と呼んでいるよ。平成16年初めから東アジアを中心に大流行しているＨ５Ｎ１型高病原性鳥インフルエンザでは、従来の病原性を上回る強力な病原性を示しています。鳥インフルエンザウイルスは、通常ヒトに感染することは無いとされてきたが、近年東南アジアを中心に感染し死亡者が出ていると報告されています。
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Ｑ４：新型インフルエンザの予防法は何ですか？
■通常のインフルエンザ同様、感染した人の咳やくしゃみ、つば等の飛沫及び飛沫核によって放出されたウイルスを吸入することによって感染すると考えられます。予防の第一は、@外出後の手洗いとうがい、Aマスクの着用、B人混みや繁華街への外出を控えることが大切ですよ。第二は、日頃より充分な休養や睡眠に注意し、バランス良く栄養を摂って体力や抵抗力を高め、インフルエンザウイルスに対抗できる体力づくりが重要だよ！
Ｑ５：新型インフルエンザの治療法は？
■インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザ薬（タミフル：商品名）が有効と考えられているね。最近耳にする言葉だから知っている方も多いんじゃないかな。発症後48時間以内に服用を開始することによって効果が期待できるものだけど、インフルエンザに感染した全ての患者がタミフルを服用する必要は無いと考えられているよ。65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患、糖尿病など慢性疾患を持つ人は、「インフルエンザかな？」と思ったら早く受診することをお勧めするよ。
新型インフルエンザウイルスの発生は現時点では確認されていないので、感染力の強さ、病原性の強さなどについては分かりませんが、日頃の予防法の実践、対処法を確認しておくことが大切ですよ。健康でかつ体力、抵抗力があれば必要以上に心配する必要はないと思われます。毎日の食事等を通して健康の維持増進に努めることが重要ですね。高齢者や持病がある方は、更に日頃の体調ケアに注意しましょう！
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Ｑ６：インフルエンザと普通感冒はどこが違うの？
■普通感冒（主にライノウイルスなど）
鼻炎症状が強いので鼻やのどが痛くなるけど、おおむね症状は軽くほとんど1週間位で治ってしまうよ。主症状は、くしゃみ、鼻水、せき、のどの痛みで、発熱は（37.5度程度で）あまり高くならないよ。全身のだるさや頭痛などもあるけど、一般に軽く重症化することはほとんどないよ。
■インフルエンザ（インフルエンザウイルス）
普通の風邪がせき、のどの痛みから始まるのに対し、寒気やだるさ、関節や筋肉、頭など全身の痛みなど全身の症状から始まるのが特徴だね。熱は高く39〜40度にもなり、それが長く続くんだ。その他特徴的な全身症状として、食欲減退、吐き気、下痢などが起こりやすいかな。65歳以上の高齢者や、呼吸器や心臓などに慢性の病気を持つ人は重症化することが多いので充分注意する必要あり！最悪の場合は急激に症状が進行し、死に至ることがあるから気をつけないとだめだね（主に１〜３月に流行します）。
Ｑ７：インフルエンザにかかってしまったらどうすればいいの？
■できるだけ安静にして、充分な睡眠と栄養を摂り体力の維持に努めることが大切だね。発熱がある場合は、脱水状態を避ける為に、ポカリスエットなどのスポーツドリンクで水分の補給に努めよう。乳幼児の普段の発熱でも、水分補給は重要なポイントですよ。インフルエンザウイルス等の感染で、発熱などの症状は、ウイルスを追い出そうとする生体の自然な反応です。しかし、つらい状況（体力の過剰な消耗）を避けるために、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などには"解熱鎮痛剤"、鼻水、くしゃみには"抗ヒスタミン剤"、咳、痰には"鎮咳（咳止め）去痰（痰きり）剤"を適宜活用して下さいね。
室内の環境として特に注意する点は、保温は言うまでもなく、ウイルスの空気中での活動を抑えるために湿度を60〜70％に保つように心がけましょう。インフルエンザウイルスは多湿が苦手です。
Ｑ８：インフルエンザで他に注意する点は？
■小児の場合には、アスピリン、ジクロフェナクを含む製剤は、ライ症候群（中枢神経抑制症状など）との関連が強く疑われていますので、解熱鎮痛剤として絶対に使用しないで下さいね！前に使って残った薬、前の子供で使って残った薬といって、薬の成分もわからずに使用することは重大な事故のもとですよ！
一般的にはアセトアミノフェン（別名：パラセタモール）が使用されますが、必ず小児科の医師の指示によって使いましょう。また小児用かぜシロップは、甘く飲みやすいように工夫されているので、小児による誤飲を起こさないように保管場所等注意して下さいね。
高齢者の場合は、発熱など強い症状が出にくくインフルエンザ感染を見落とす場合があります。介護者は、一週間以上続く咳や、微熱など日頃と異なる体調変化に注意し、更に薬の保管や服用にも気をつけましょう。
◆日頃の体調管理のため、クスリのコダマをご利用頂けますようにお待ちしております。疲労やストレスをためずに自分の健康を維持し管理することが大切です。「自分の体力がウイルスに勝つ」ことが治癒のポイントですよ！◆
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