ジム・ヘンソンのストーリーテラー vol.2
ジム・ヘンソンのストーリーテラー vol.1
かいじゅうたちのいるところ♪♪
ダーク・クリスタルの世界
80歳のアリス「ドリームチャイルド」
ネバーエンディング・ストーリーで初心に返る
アートなファンタジー映画『ラビリンス』
第6話『本当の花嫁』
意地悪なトロールに育てられている少女が、困難に遭うと不思議な白いライオンに助けられるお話。
とにかく若いボロミア(ロード・オブ・ザ・リング1で死んでしまう旅の仲間)が運命の王子様みたいな役で登場するのが驚きです。トロールのクリーチャーが私としてはオモシロ顔すぎる気がして、ちょっと残念ですが、先が読めない不思議な展開で面白いです。
第7話『三羽のカラス』
魔女によって3人の弟をカラスに変えられてしまった少女が、呪いを解くために3年3ヶ月と3日間、口を閉ざし続けるお話。
9つの中で一番印象に残っていたお話です。「兵士と死神」も怖いけど、ここに出てくる魔女の性格の悪さと言ったら…。せっかく生ませた赤ちゃんを魔女が連れ去ってしまい、でも何も言えない悲しさと悔しさを堪えきれなくなった少女(すごく綺麗)が、夜中に深い穴を掘って叫ぶシーンが衝撃的でした。そしてネタばれだけど、最後に弟たちは呪いが解けて無事に人間に戻るかと思いきや、少女が少しだけ早く口を開いてしまったために、一人だけ腕がカラスのままになってしまったというところが、最後まで怖すぎて民話というよりホラーだと感じました。
第8話『運命の指輪』
「亡くなった妻の指輪がぴったりの者と結婚する」と決めていた王様。そしてその指輪がぴったりだったため、実の父親と結婚をしなければならなくなったお姫様の話。
シンデレラと千匹皮を混ぜたような話でした。そもそもストーリー・テラーのどのお話も、なんとなく知っているグリム童話やヨーロッパの民話を混ぜて作っているようなものがほとんどですが。お姫様は実父との結婚から逃げるために「月のドレス」「星のドレス」「太陽のドレス」を作らせて、自分は友達の小動物たちに協力してもらって、落ち葉やら泥やらおがくずやらを身にまとって"雑巾娘"となって逃げるのです。そこまでやるかと言いたくなるほど汚い姿になって、愛する王子にどんどん話しかける彼女は強いです。貴族への批判も込められている� ��うな作品で考えさせられます。「人は見た目じゃない」って言っているようで「結局見た目?」という矛盾も感じる、童話にありがちな疑問です。
第9話『心のない巨人』
心の代わりに蜂の巣を胸に入れた残酷非道な巨人と、幼くて純粋な心を持った王子のお話。
巨人を牢から逃がしてあげたのに、すぐ裏切られた可哀想な王子。逃げた巨人を追ったまま行方不明のお兄さんたちを探しに旅に出た王子が出会う動物たちのクリーチャーがかわいいです。5話の「兵士と死神」とこれは監督がジム・ヘンソンで、共通しているのがオチが切ないところ。人間の愚かさに悲しくなる話です。
やっぱりすべての話をこうして振り返ると、「民話・童話」を元にしていると言いつつ、結構暗い話が多いです。と、いうより、民話が暗いものが多いのかもしれないですが。いずれにしろ子供にはウケなそうです。でもそんな暗い作品をちょっと明るくしてくれているのが、ストーリー・テラーの飼い犬の存在です。
ジョン・ハートの話に絶妙な突っ込みを入れるこの犬。今見るとすぐぬいぐるみって分かるのですが、小さい頃は「すごい、超リアルだ」と思った記憶があります。確かに表情豊かで「しゃべる犬」としてはある意味リアルで、この犬の存在によって鬱々とした話にもポップさが加わっている気がします。
しばらく経ったら多分また観たくなってしまうので、いいかげんDVDを購入しようと思います。おすすめなので気になってくれた方がいたらぜひ…。
私はなぜか小学生くらいの時に見て(多分母親がレンタルしていた)独特な世界観が妙に残っていました。また久々に観てみましたが、やっぱり面白い!!
どれもセットとすぐ分かってしまうようなクオリティーですが、登場するクリーチャーや、現実と非現実をうまく混ぜたような編集の仕方や、ストーリーテラー(ジョン・ハート)の魔術師っぽい雰囲気は、今観ても驚かされます。
私は針を飲み込む場合はどうでしょう
知らなかったのですが、脚本もアンソニー・ミンゲラという「イングリッシュ・ペイシェント」や「コールドマウンテン」の監督や、これから公開の「ナイン」の脚本も書いているすごい人でした。確かに、グリム童話を読んで感じる淡々とした雰囲気よりも起承転結があると思いました。
ちなみに写真はジムさんとジョンさん。
第1話『ハリネズミのハンス』
子供が出来ない夫婦が「例えハリネズミのような子供でも構わないから子供が欲しい」と望んでしまったことから、本当にハリネズミのように体が針に覆われた子供が生まれてしまうお話。
父親は醜いハンスを愛せないことで、ハンスも父に疎ましく思われていることで苦しんだりと、結構第一話から重い話です。ハリネズミの赤ちゃんのクリーチャーがかなり気味悪くても、そんなところからも子供向けではない印象をうけます。でもこのお話は、エミー賞児童番組部門を受賞しているそうです。
第2話『恐怖を知らなかった少年』
"怖い"という感覚が一切分からない少年が、恐怖を求めて旅に出るお話。
これは同じ題材のドラマを「フェアリーテールシアター」でも観て、そっちはお化けたちが少年に小馬鹿にされるという大爆笑のお話でしたが、こっちはもっといい話にまとまっていました。
沼に住んでいる怪物のクリーチャーとか、呪われた城に住む上半身と下半身が分かれているおじさんのお化けが、いい味出しています。
あと私の中での見所は、この少年のお兄さん役がハリポタのウィーズリーおじさん役の人というところです。一言しか喋りませんが…。
第3話『最後の一話』
ステーリーテラー自身が昔体験したというお話。王様と約束して365日毎日お話を聞かせていたけど、最終日になって全く話が浮かばないという彼に、急に奇妙な出来事が起こります。
「ストーリーテラーシリーズの魅力の半分はジョン・ハート」と思っている私にとっては、彼が主役というのがとにかく嬉しい一話です。頭のいい貧乏人は知恵を働かせて、実際は石で作ってないのに「石のスープ」を作ってやる!と言って周りの人間を感心させてしまうという前半のエピソードは、落語の「まんじゅう怖い」にも共通するものを感じました。登場するクリーチャーは少ないですが、珍しくかわいいウサギが出て来てレアです。
第4話『幸運の持ち主』
"幸運の少年がいつか王様になる"という言い伝えが現実になることを恐れた王様が、あの手この手でその少年を殺そうとするお話。
策略で生きるより、自然まかせて生きている方が幸せになれるという教訓なのかと思います。すごく気に入っているのは、ドラゴンが住む孤島までをひたすら船を漕ぎ続けているおじいさんのシーンです。「琥珀の望遠鏡(ライラの冒険3)」に出てくる死者の国を思い出しました。
第5話『兵士と死神』
何でも"入れ"と唱えれば入れられてしまう袋を手にした兵士が、死神を袋に閉じ込めてしまうお話。
最初はみんな不死身になって喜ぶのですが、死神がいなくなった町が死を待ちくたびれた老人でいっぱいになってしまったというシーンが怖くて怖くて…。暗いオチも、観たあとでしばらく考えさせられます。でもそんな暗さも昔の童話らしくて好きです。悪魔や死神のクリーチャーが登場しますが、あまりジム・ヘンソンっぽくない雰囲気で新鮮です。
第6話以降はまた次回に…。
主人公の8歳の少年マックスの自然すぎる演技に、始めから「いい」と感じました。いいと思うと同時に、自分が小学生の時に感じていたような独特な苦しさも思い出して、ちょっと切ない気持ちになりました。まだ映画がはじまって10分もたたないうちから切ないって、なかなかないです。
予告の映像をこのブログに載せたときに「ジム・ヘンソンを感じる」と書いてしまったけど、本当にジム・ヘンソン・カンパニー・クリーチャーショップがかいじゅうたちの巨大なパペットを作っていたようです。だからか いじゅうの存在感がすごかったです。鼻の下が少し湿っているところを観たときは感動しました。CGでもぬいぐるみでもなく「クリーチャー」というジム・ヘンソンの魂が宿っていました。あのかいじゅうの造りに感動した人は「ラビリンス」と「ダーク・クリスタル」をぜひ観てほしいです。
絵本には描かれていないかいじゅうたちの細かいキャラクター設定も面白かったです。それに一番やんちゃなキャロルの言動を見ていたマックスが、キャロルと自分を重ね合わせて成長するというのが、説明の少ないあの映画から伝わってきて、じーんとしました。マックスのお母さんの表情にもじーんとしたし、不思議な映画だけど、あたたかいメッセージが密かに込められているところが良かったです。
なぜ人々は天然痘で死亡していない
映画をみたあとはかわいいグッズを並べてニヤニヤしていました。ぬいぐるみは左からキャロル、マックス、KW、ブル。多分この4つしか種類は作られていないので、この際他のかいじゅうのぬいぐるみも作ってほしいものです。キューブリックはジュディスが当たりました。全種類欲しいけど、中身が見られないから難しいです…。アニメのVHSは300円で購入しました。原画のタッチがそのまま動いて面白いです。
あとは同僚のMちゃんが公開前からサントラをお店でかけてくれていて、それも少年の声で歌っているものとか、かわいくてやんちゃな音楽ばかりで良かったです。私も買おうか迷っています。
万人ウケの映画ではないけど、絵本好き、スパイク・ジョーンズ好き、音楽好き、クリーチャー好きとか、面白いものが好きな人は楽しめる映画だと思うので、まだ観てない方はぜひ劇場で。
その映画のコンセプチュアルアートを担当したブライアン・フラウド氏の作品集を洋書バザールで発見して、半年ほど前に購入しました。「The World of DARK CRYSTAL」っていうタイトルです。
もちろん洋書だから読めないんだけど、その分、本自体のデザインも素敵だから、これ一冊がそのまま作品って思えます。写真じゃよく見えないと思いますが、表紙の絵の上に、半透明で少し盛り上がってツルっとした質感の模様が施されています。
中にもトレペが使われていたり、文字も手書きのスケッチ集(?)みたいな付録もついています。これは映画を知らなくても楽しめるはず。主に色鉛筆(なのかな?)で描かれて沢山のイラストは、何度見ても素敵。
ちなみに一番お気に入りのページは脇役小動物たちの集合ページ。この生き物がたまらなく好きなので。このコを飼いたいです。妄想が止まりません。
7月にプラバンアクセサリーの展示をするので、最近その製作の為に映画は少々我慢しています。その代わりに、この本でファンタジーの世界に逃避。展示の話は後日詳しく書くので、そちらも読んで頂けると幸いです。
もっと子供向けのファンタジー映画かと思っていたら、こんなに重いテーマの映画だったとは観てみて驚きました。実際はアリスが10歳の頃、ルイス・キャロルは30歳だったらしいのですが、映画ではイアン・ホルム(ロード・オブ・ザ・リングのビルボおじさん)がや� ��ているので、40歳から50歳くらいに見えて、とにかく彼のアリスを見つめる表情が怖いんです。この映画のタイトル「ドリームチャイルド=夢の少女」というのも、ドジソンにとってアリスが夢の少女だったということだから恐ろしい…
しかも10歳にして、アリスは彼からの好意に気がついていて「彼は私が好きなの」と自分の姉妹や母親に言っていて、みんなの前ではわざと「私のことをじっと見てた」という理由で水をかけたり、ドジソンの吃りを笑ったりするんです。そうやってバカにしながらも、彼が作ったおとぎ話は大好きで、自分の為に書いた本をもらうと「一生の宝物にする」と言ったり。幼さ故の残酷さというか、生まれながらにして小悪魔なのか。ホラー映画に登場する子役が怖い、あの感覚にも近いものを感じました。
80歳になっても、ずっとその頃の記憶がアリスを苦しめていて、物語に登場するイカレ帽子屋や、三月ウサギたちが幻覚になって現れて、彼女にナゾナゾを出して、答えられないと「アホなばあさんだ」と暴言を吐くのです。その シーンが、80歳になって記憶力も低下してきた老人に対する言葉にもとれるから、ちょっと辛い。それに彼女にとっての「不思議の国のアリス」は、ドジソンの愛情に混乱したり、ドジソンにしてきた自分の酷い態度を思い出して申し訳ない気持ちになったり、封印したい過去の記憶なんです。
皮膚癌の関数がどのように?
でも強引な元新聞記者の説得で、彼女は少しずつラジオ出演や取材を受けるようになって、ドジソンの記憶と向き合います。すると、風変わりで気難しいドジソンの愛情というものが、歪んだものではなく深い優しさだったことに気がつくのです。
最初は、ルイス・キャロル=ロリータコンプレックスの元祖(?)なのかと思って、なんだか恐ろしい映画だと思って観ていましたが、アリスの心の変化がこの映画の核になっていたので、見終わったらあたたかい気持ちが残りました。すごく良かったので、一度観て、次の日にもう一度観ました。ちょっと痛いけど素敵な映画です。
ファンタジー映画のテーマは「友情」とか「忠誠心」とか「勇気」とか、もっと小さい子供にも理解しやすいものが多いけど、この映画は「記憶」とか「老い」とか「死」、それに「愛(捉え方が難しい形)」がテーマなので、重いし深いです。デリケート(?)な話すぎて当時(1985年上映)話題にならなかったのかな?なんて思いました。
ちなみに、少しだけ登場する「不思議の国のアリス」でおなじみのキャラクターたちも、やけにグロくて最高です。それもそのはずで、担当はジム・ヘンソン(セサミストリートの産みの親で、「ラビリンス/魔王の迷宮」の監督)でした。彼が作るクリーチャーが大好きなので、それが見られただけで大満足でした。テニエルの原画を参考にしながら、不気味な可愛さと、どこか笑える雰囲 気が彼らしい!やっぱりジム・ヘンソンは唯一無二の存在です。VHSだから画像が悪くて、クリーチャーの細かい所までは見えないのが残念ですが、いろんな意味でちょっと怖いファンタジーに興味がある方はぜひ探してみてください。
ハリー・ポッターもどんどん重い展開になってきたし、ロード・オブ・ザ・リングなんて、あれはもう戦争映画だし。パンズ・ラビリンスは子供は見てはいけないような内容だし。中には「最近は難解で暗いファンタジーが多くてちょっと…」っていう人もいるみたいだけど、私にとってはただ楽しいだけのファンタジーは、それなりに楽しめるけどやっぱり物足りなくて。
そういう意味で「ネバーエンディング・ストーリー」は元祖ファンタジーというか、純粋に心が暖まる素敵な映画だったなぁって改めて感じたんです。分かりやすいけど、決して軽いわけじゃない。『明るくて楽しい』っていうのもちょっと違うけど『暗くて難解』でもない。80年代に作られていて今みると質感もだいぶ古い映画なんだけど、今だにファンタジー 映画界の代表的作品っだなって思います。
改めて観ると、それほど衝撃的なシーンってわけではないけど、やっぱりあの最初の本屋のシーンは最高です。ファンタジー映画の基本とも言えるスタイルで、主人公がいつのまにか不可思議な世界に足を踏み入れる…。寂れていて目立たない本屋。誇りっぽい空気。あの本屋のおじさんの謎の微笑み。あのシーンをみるたびに思い出すのが、「ハリー・ポッターと賢者の石」でハリーが初めて杖を買うシーン(賢者の石の中で一番好きなシーンです)寂れていて誇りっぽい店内に、謎めいた老人。設定も雰囲気もちょっと繋がります。実際はわからないけど、私はあのシーンを観た瞬間「ネバーエンディングストーリー」に影響されてるな!って思っちゃいました。
またあの杖の店の老人(オリバンダー)はジム・ヘンソンの「ストーリー・テラー」でまさにストーリーテラー役だったジョン・ハートっていう人選が最高です。
人選といえば、ネバーエンディング・ストーリーも人選の良さが映画のポイントをかなり稼いでると思います。中でも勇者アトレイユ役がとにかくかっこいい!私は小学生の時に憧れていて髪型を真似してセンター分けにしたほど(止めときゃよかったね)今観てもなかなかあんな雰囲気のある子役って居ないと思います。青年と少年の狭間で、少し女性的な綺麗さもあるんたけど、勇気と自信に満ちあふれたあの表情が魅力的!
それに主人公のバスチャン役の男の子もとても可愛いです。本ばかり読んでいてちょっとした引きこもりなんだけど、あんな子供がほしいです。幼ごごろの君(お姫さま)役の女の子も美しい!子供なのに整った顔つきでお姫さま役が様になっているんです。このメインの3人が魅力的だから映画に説得力があると思うんです。(ちなみに辛口で言ってしまうと、続編の2と3はキャスティングがガラッと変わってしまい、どちらもがっかりな感じでした。内容も微妙だったし。)
しかしなんと言っても今回一番感動したのは、意外にも子供の頃にはそれほど感動した記憶がないシーンなんです。ファンタージェンが無くなり、残ったのは砂一粒になった時に、幼ごころの君がバスチャンに「あなたの夢と希望が新しいファンタージェ ンを創るのです」って言ったとき、妙に感動してしまいました。何回も観てる映画なのにはじめて涙が出ました。
二十歳を過ぎたあたりから、妙に誰かのさりげない一言が急に胸にガツンとくることが増えました。例えば、大学の卒業式での学長の話もやけに覚えてます。たいして真剣な感じでもなく淡々と「これから大切なのは、まず失敗を恐れないこと」って学長が言ったのが、ガツンときて。ありきたりでよく耳にするような言葉なんだけど、実はその一言には大きな意味が込められているって思って。そんな言葉をサラッと口にできるようになるまでには、きっと沢山の苦労や挫折を乗り越えてきたっていう経験があって、そうした経験を踏まえての発言が「失敗を恐れない」という一言だなんて、かっこよすぎます。瞬間的にそのことに気が付いて目頭が熱くなりました。
ファンタージェン のことも同様で、やっぱり子供の想像力って宝だと思うし、どんなに小さなことでもいいから夢って持っていたいし、夢を見なくなってしまった瞬間から人って少しずつ死んでいくと思うんです。毎日現実にうんざりしている自分も、夢を見なくなったら何も生まれないんだ、信じる気持ちは大人子供関係なく大切なんだ!!って恥ずかしくも真剣に思ってしまい号泣でした(平和な人間なので…)
こういう純粋なテーマこそがファンタジーの基本的な在り方なんじゃないかなって思いました。そんなわけで、リマールのテーマソングをまたヘビロテします。
出会いは、私がまだ小学生の頃に同級生に奨められて観て、すぐに気に入って、その奨めてくれた友達と一緒に演劇クラブの脚本を作ったほどでした。実際、劇でラビリンスをやるなんて無理があるし、そもそも小学生が書いたものなんてグダグダで、劇自体は全然ダメだったけど…。そんな小学生を熱くさせるエンターテイメントであり、大人になってから観ても楽しめる、そんなファンタジーアドベンチャー映画です!!
話はいたってシンプルで、一言で言ってしまえば魔王が連れ去った弟を取り返しに、少女が迷宮を冒険していく話です。その主役の少女サラ役がジェニファー・コネリー。今みると若い!最近だと「ブラッド・ダイヤモンド」に出てて、たくまましい大人の女性って感じだったけど、ラビリンスでは、あどけな� �と強さが共存しててこの映画の主役にぴったりだと思います。それでも当時まだ子供だった私にはサラはすごく大人にみえて、ファンタジー映画の主役が「ちびっこ」ではない所も気に入った理由の一つになってました。
で、そのサラに恋をして弟を連れ去る魔王のジャレス役があのデヴィッド・ボウイですよ。斬新口!監督ははじめからジャレス役はロックスターを使おうって思ってみたいで、でもボンジョヴィとかじゃなくてほんと助かった(ごめんなさい)グラムロックの人の化粧とか服の雰囲気が、すでに人間ばなれしてるから魔王役とかもうほんと似合っちゃう。変なタイツもオウムみたいな髪型もセクシーでかっこよく見えるから不思議なものです。異様なビジュアルがこの映画にはすんなりはまるんですね!ゴブリンたちと歌って踊るポップなシーンもあり、エッシャーの絵の中のような階段地獄でのちょっと恐いシーンもあり、色んなデビッド・ボウイを見れます。
あとサラを助ける脇役マペットたちも、みんなどこか不完全なんだけ� ��一生懸命で、愛すべきキャラクターばかりです。みんな実は、サラの部屋にあるぬいぐるみとか人形が姿を変えて出てきてるっていうのも、夢なのか現実なのか謎を残してる感じでわくわくポイントが高い演出です。それにジャレスの手下であるゴブリンたちも、一応悪役なんだけど、恐くないしおっちょこちょいだし、笑わせ担当になってます。ゴブリンシティの美術も、ディズニーランドのスプラッシュマウンテンのダークサイドって雰囲気。その他のセットも、古いからすぐセットって分かるつくりなんだけど、迷路の場所によって雰囲気がかなり違っていて相当時間とお金をかけてこだわって作ってるんじゃないかと思います。CGに頼ってないよさがあります。アートなものに興味ある人、自分でも制作している人は、美術的にも かなり楽しめるはずです。ちなみにDVDの特典映像でも少し見られる、コンセプチュアルアートのイラストもちょっと無気味なかわいさで映像とはまた違う良さがあって必見です。
これから色んなファンタジー映画が沢山公開を控えてて、きっとCGもお金もすごーくかけてる映画ばっかりだろうなって期待しつつ、私の中で不動の地位のラビリンスを超える映画はあるのか、今から楽しみにしています。
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